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「馬鹿やろーっ! てめぇなんかなぁ!!」
怒鳴り声が校庭中に響き渡る。
ツナは聞き慣れたその声をあえて無視しようとしたが、いつの間にか自分の正面に2人立っている。
別に、自ら彼らの正面に立った訳ではない。
彼らが、ツナの前にやってきたのだ。
だから先生。
オレ悪くないんです。
今が体育の授業中だって、オレはちゃんと分かってます。
3人に触れないように、微妙に遠くでサッカーをしているクラスメイト達が恨めしい。
「どう思いますか!? 十代目!」
「え? あ、うん……えと」
聞いていませんでした、とは言い難く、ツナは視線を逸らして言葉を濁す。もとより、獄寺はさほど返答を期待していなかったのかもしれない。すぐに意識をもう一人に向けた。
「山本!」
「あーうん。まあ落ち着けって」
にこやかな顔で返答する山本に、獄寺のこめかみの血管がもう一つ現れる。
「っ、何だよ山本! てめぇ」
「あああああ、獄寺くん落ち着いて!」
何がなにやら分からないながらも、ツナはとりあえず一度だけは止めてみようと声を上げた。
その言葉に、ピタリと獄寺が止まる。
「お、落ち着いてます……」
「いや、明らかに落ち着いてないよ」
ピクピクとする獄寺の頬をツナは眺めながら、原因は何なのだろうと首を傾げた。
だいたい、この2人はちょっとでも暇があれば衝突して(というよりも、獄寺が山本に突っかかっているというのが正しいかもしれない)、非常に鬱陶しいことこの上ない。
口に出したら怖いので、言ったことなど無いが。
ツナは視線を獄寺から山本に移すと、山本は困ったように笑っていた。
「山本?」
「あーうん」
山本は困ったように頭を掻くと、獄寺に顔を向けた。
「俺がコイツを可愛いっていったのが気に入らないらしくて」
「っ」
ボッと獄寺の顔が赤くなり、今までよりも余計に近づけない雰囲気にツナは後ずさった。
「えっと……?」
「だ、だからっ! てめぇの方が可愛いって言ってんだろ! 馬鹿山本!」
「あーうん、そうなのなー」
「ちきしょうっ! わかってねぇだろ!」
「ああ、分かった」
返答はツナがしたものだった。
つまりは、痴話ゲンカなんだね?
ようやく得心のいったツナはポンと手を叩き、ならばこそ怪我をしないうちに放っておこうと身を翻した……が。
「十代目!」
「な、なに!?」
「十代目はどっちが可愛いと思いますか!?」
(知ったこっちゃないよ!)
と叫べればどんなにいいか。
「えっと」
「ツナが困ってるじゃねぇか」
「はっ、十代目すみませんっ」
「いやいやいや。別にそれはいいから帰って良……」
「でも俺、切実なんです!」
ずいっと身を乗り出す獄寺と、その後ろで困ったように微笑んでいる山本。
神様、オレって何かしましたか?
とツナが天に祈りたくなるのは当然の事で。
「コイツ、自分の可愛さを分かってくれないんです!」
「お前の方が可愛いって」
「うるせー山本! キスだけで涙目になりやがるくせに!」
「……は?」
何か嫌なことを聞いた気がする……とツナが耳を塞ぐ前に、獄寺は立て板に水状態で言葉を紡ぐ。
「脇腹撫でたらすぐに声あげるくせに!」
「あー……まあなぁ」
「入れる時なんか、ぎゅっと目をつむるくせに! 可愛すぎるんだよコンチクショウ! いつもその顔でイきそうになる俺の気持ちがわかんのかよ山本!」
「ご、獄寺くん?」
「てめぇの喘ぎ声思い出しただけでいったい何回マスかけ……」
「獄寺君!!!!!!!!!!!!!!」
ツナの常にない言葉に、獄寺は動きを止めた。
「十代目?」
「今、授業中だから……ここ、校庭だから」
校舎の窓から覗く人々の視線が痛い。
そして自分たちから目を反らしているクラスメイト達が本格的に憎い。
獄寺はその状況を悟ると、一瞬だけ硬直した。
そして。
「てめぇら見てんじゃねぇ!」
ダイナマイトが綺麗に宙を舞い、校舎の窓が綺麗に吹き飛んだ。
「な? 獄寺って可愛いだろ?」
「……山本……あれ見て言うのはそれだけ?」
「照れ隠しだよなー」
「……いや……まあ、なんでもいいや」
ツナは肩を落とし、負傷者に手を合わせた。
「まあ、アイツがあんな可愛いから、俺も思わず獄寺がイイならいっか〜って反応しちまうんだよなー」
「は?」
「アレがさ、ヤってる最中は結構格好良いんだぜ?」
山本、お前もか。
そっとツナは涙を落とし、今後2人が喧嘩してようとなにしてようと、関わるまいと心から誓った。
もっとも、適うはずなど無いとそこはかとなく悟っていたが。
とりあえず、一部壊れた校舎に怒りを籠めて現れた風紀委員長からどうやって逃れるか。
最重要項目に頭を痛めさせた。
ホント、何かもういたたまれない感じでスミマセン。
もはや何のお礼だったのかも忘れそうなくらい、今更でスミマセン。
上はみかちのコメントです。
そんでコレはロボです。
みかち、ありがとう、ありがとーう!!!!
「へー、ぎゅっと目つぶるんだ…ハァハァハァハァハァ!」とか異常に興奮してゴメン(笑
獄山に洗脳(オイ)した甲斐があった!!!
ありがとう、ありがとーう!!! うへへへ…☆
by ロボ1号
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